株主の皆様には、平素より温かいご支援を賜り、誠にありがとうございます。当社は、2023年3月期の決算を発表いたしましたので、ご報告申し上げます。

 

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による社会活動の制約が解消されつつあるものの、ウクライナ情勢の長期化に伴う相次ぐ値上げや急激な円安の進行など、先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループが属する業界におきましては、異常気象等を原因とした大規模な自然災害に備えるため、国土強靭化に取り組む必要性が叫ばれており、公共投資は堅調に推移しているものの、将来の国内市場の縮小リスクへの対応が課題となっております。このような環境の中、2022年3月期から3年間を対象とする中期経営計画において、「主力事業の深掘りによるオーガニック成長の推進」、「成長事業の育成と新たな収益機会の獲得」、「持続的成長を可能とするための経営基盤の整備」に取り組み、更なる企業価値向上に努めております。
当連結会計年度の業績につきましては、売上高は39,095百万円(前年同期比4.2%増)、営業利益は5,560百万円(前年同期比9.5%減)、経常利益は5,837百万円(前年同期比9.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,742百万円(前年同期比11.8%減)となりました。

 

セグメント業績を示すと、次のとおりであります。

コンクリート事業

慢性的な人手不足から業務プロセスの改善による生産性の向上は建設業界の主要なテーマであり、建設現場における省人化・安全性の向上・工期短縮・働き方改革への寄与が期待されるプレキャスト化への促進と要望は年々高まっています。また、当社が優位性を発揮する浸水対策は、防災・減災、国土強靭化等の政府の施策の中においても緊急の課題として位置付けられております。こうした中、更なる販売単価の上昇や低採算製品の取り扱いの見直し、高付加価値製品へのシフトなどの取り組みを進めてきましたが、原材料価格の高騰の影響と大型案件の販売量をカバーするまでには至らず、売上高は前年同期比4.3%減の27,202百万円、セグメント利益は前年同期比12.0%減の4,882百万円となりました。

パイル事業

コロナ禍による民間需要の低迷が顕著であった前年度と比べ、民間企業を中心とした設備投資意欲の回復による需要が増加する中、販売地域と案件の絞り込みによる効率化と強みに特化した受注活動を進めるとともに、原材料価格の動向を注視しながら販売価格の上昇や生産コストの削減など様々な取り組みを進めてきました。この結果、売上高は前年同期比72.6%増の4,045百万円、セグメント利益は前年同期比209.5%増の263百万円となりました。

防災事業

激甚化する風水害や土砂・落石災害への対策として「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」が政府により実施されております。この追い風を受けつつ、実物実験と衝撃・構造解析ソフトウェアを活用した製品開発にいち早く取り組み、また、原材料価格の動きを注視しながら市場シェアを確保するよう受注活動に積極的に取り組みました。この結果、落石防護柵と崩壊土砂防護柵の出荷が順調に推移し、売上高は前年同期比7.5%増の4,909百万円、セグメント利益は前年同期比6.9%増の1,276百万円となりました。

その他事業

2022年10月4日付で完全子会社化したプロフレックス株式会社の買収効果により、売上高は前年同期比34.1%増の2,938百万円、セグメント利益は前年同期比18.6%増の544百万円となりました。

株主の皆様におかれましては、今後とも何卒よろしくご支援ご協力賜りますようお願い申し上げます。

 

2023年5月
代表取締役社長 土屋 明秀